Kajiyama's room
Last updated:February 2016.  Kajiyama
 講義室の利用方法


・連絡はメールで行う
授業で使うソフトウェア
・PDF形式の資料は、Acrobat Readerを使用
・講義の時刻に予約したメンバで行う
・遠隔授業の参加にはスカイプを使用予定

 講義の目的と方針
以下の文献を読みながら循環型社会のありようを考え、計画者としての知識の獲得の仕方を理解するのがこの授業の目的です。
これらの文献は、私が、いまの大学生特に工学部出身には理解が欠けていると考える環境問題の社会的見方を内容とします。

都市や農村、生活施設をデザインするときには、工学的な知識だけでなくこれらの社会的なものの見方が重要になります。 都市や居住地、住宅、プラント工場等のハードの設計は専門の技術者に任せ、あなた方はこれらの社会的見方で彼らを監督する必要があります。 マタ、工学出身者が課長や部長になるには必要な基礎知識であると私は考えています。
出席できないときはインターネットで参加して下さい。出欠の連絡やレポートは教室の黒板に書き込んで下さい。
皆さんにお配りする資料はインターネットで受け取れるようにしています。

1. まず指定文献をわからなくても読んで下さい。一度で理解できる文献と数年かかる文献があります。まず一度読んで下さい。

2. 質問をしますから、下手な考えを述べて下さい。うそでもいいから自分の考えを述べていくことから始めます。うまく行けば、議論が始まると思います。

3. 文献から得られる情報は断片的ですから、ある程度の量を読んでいけば体系だった、あるいは組織だった考えが育つはずです。人のコピーでなく独自の考えを持つことが専門家として生きていくうえで大切です。


 講義計画


  • 課題 地域環境概念の視点を少し広くしよう

    □ 片桐 新自、歴史的環境へのアプローチ、歴史的環境の社会学、新曜社、2000、 P1-239.

    □ 堀川 三郎、運河保存と観光開発--小樽における都市の思想、歴史的環境の社会学、新曜社、2000、 P107-129.

    □ 桜井 厚、差別と環境問題のはざまで--被差別部落の生活環境史、差別と環境問題の社会学、新曜社、2003、 P19-41.

    □ 麦倉 哲、障害者から見た都市の環境、差別と環境問題の社会学、新曜社、2003、 P93-114.


  • 課題 文学に現れた廃棄物 

    1. 「巡礼」 文学に現れた廃棄物

      ゴミ屋敷の住まい手を想像する。「男はなぜゴミ屋敷の主になったのか? 戦後日本を、生真面目に、ただ黙々と生きてきた男が最後にすがったのは「ゴミ」という名のなにものかだった。」帯広告より

      □ 巡礼、橋本治、新潮社、2009.8.

    2. 「ラジオアクティブ・ラブ」 文学に現れた廃棄物

      主人公は無責任な受け身の人生を変えたいとどこかで願っているのである。むやみに働く以外に能がなく、楽しみもなく友達もいないこの主人公は真面目さと口の堅さを買われて、怪しい廃棄物運搬の仕事をさせられる。彼がひた走らせるトラックの荷台には引き取り手のない放射性廃棄物が積まれている。不法投棄された「孤独な」廃棄物と心中の道行きのようなドライブが始まる。まさに放射性物質(ラジオアクティブ)との地獄の恋である。カーテレビには廃棄物の行方を追う報道番組が映っている。孤独なフリーターにとっては社会との唯一の接点がマスメディアである。朦朧とした彼の意識にマスメディアが交錯する。そして、ついにはフリーターと放射性廃棄物とマスメディアは高速道路の出口でクラッシュするのである。ラストのカタストロフへ向かってひた走るこのロードムービーは従来の生ぬるいフリーター文学とは一線を画す。
      ---島田雅彦 文芸時評 2004.5.24 朝日、夕刊

      □ ラジオアクティブ・ラブ、楠見朋彦、文学界、文芸春秋社、2004.6、 P164-214.

      1. 議論の内容

        1回目9月15日(水)はこの新しいタイプの小説を読み、資源循環専攻の院生の立場で感想ないし、意見を教室の黒板 (掲示板)に感想意見を書き込んでおいて下さい。数行の箇条書きでよい。2回目9月22日(水)の9時までには書き込んで下さい。
        2回目9月22日(水)にこれを材料に話を進めていきます。当日参加できない人は特に書き込んで授業に参加して下さい。

        次の内容にもふれて下さい。
        1. 廃棄物の処理処分に関わっている主人公やわき役は、特別な人か普通の人か。
        2. 彼の個人的な責任感や努力で問題が解決できるか。
        3. 彼の個人的な責任感や努力で問題を解決できるためにはどのような施設や制度が必要であるか。

      2. 9月22日コメント 「倫理」についての 素人の理解と専門家の理解

        環境問題では、(1)「市のごみ分別がうまく行かないのは、市民の道徳や責任感に問題がある。」と言うような「環境問題の解決には倫理が問題である」との主旨の発言や、あるいは、(2)「環境の問題を倫理の問題にすり替えて、問題が解決するか。」との発言がある。このような、相反する意見であるが、両者が問題にする「倫理」とは何であろうか。

        この相反する人が使用する倫理の意味するところは、共通している。倫理を「個人の責任」「個人の内面」に限定しているところである。この素人の定義は倫理の一面だけを示すものである。特に日本ではこれを悪用している。

        会社の不祥事を個人が犯した犯罪として切り捨て、トカゲのしっぽきりをする。例えば、三びし自動車、雪印、政治家の秘書の自殺。これらの倫理の定義では、会社の問題を見えなくし、個人の道徳の欠如で問題が生じたように偽装するときに使われる。マスコミもこれを使うし、なぜか一般の市民もこの説明に納得する。

        倫理には個人の責任だけでなく社会の責任も含まれている。会社の責任、議会の責任、福岡市役所の責任、国会の責任、国家の責任、国連の責任がある。多くの場合これらの個人が属する組織や社会に問題があるのに、個人が生じさせた問題として扱い、会社や市役所、国家の責任を見えなくしている。

        環境の専門家は、問題を個人の責任にしてしまい、問題は解決できませんと、問題を先送りにしてはいけない。会社や役所や国の問題として受け止め、そこで解決を考えることが必要である。

        例えば長距離トラックの事故の多発を考えてみる。事故を運転手の運転能力の問題としてとらえると、事故を減らすことはできない。過密な労働条件ゃ、運賃の値下げのために高速道路の経費を使えないことなどにより事故は生じているので、会社の責任、荷主の道義的責任を明らかにしていかなければ、問題解決にはならない。ここで言う道義的責任を個人から、会社、荷主、業界に広げていくことであり、会社、荷主、業界の社会の中で問題を解決する視点が必要になる。専門家は、個人的倫理の側面でなく社会倫理の側面を理解しなければならない。

        例えば内部告発者を考えてみる。首を覚悟しなければ告発はできない状況にある(問題を起こしていない人も責任をとらなければならない状態である)。内部告発制度を実現するには、個人倫理を守る組織あるいは社会のルールが必要になる。この企業、自治体の組織が社会に対してどう責任を担うのかと言う考え方、言い換えると社会倫理である。これを扱わなければならない。

        不法投機を悪徳業者として切り捨てて考えるのでなく、処理のローコストや不法投機を見逃している産業廃棄物処理業界の問題として考える。彼らは公共の仕事を行っていると認められながら、なぜ彼らは業界あげて積極的に対策をしないのか。倫理を個人の責任から社会の責任まで広げるとこのような問題も浮かびあがって来る。

        倫理の概念には、個人の責任と社会の責任の側面がある。先ほどの市民の分別の問題も、市役所は十二分に市民個人個人に啓蒙と教育をおこなつたか。個人が分別しやすい制度や施設を準備したか。これらの責任も問われるはずである。これらを行わずして責任だけを問うのはフェアーでない。




  • 課題 循環型社会の計画目標と未来社会のイメージ、そこで使用する「論理の特徴」を理解する

    1. リサイクルと社会資本の整備 2003年度総合演習報告書で使われた論理を考察する。

    2. 地球温暖化で何が問題なのか?
      ・あなたはどのように問題を理解するか、立場と視点の存在が存在する。

    3. 警告の書「沈黙の春」、「成長の限界」で使用した「脅し」の論理

      □ 予言された「人類滅亡」!?、岡本祐一朗、異議あり 生命環境倫理学、ナカニシヤ出版、2002.

      □ 沈黙の春、レイチェル・カーソン、Silent Spring,Rachel Carsob、新潮文庫.

    4. タブーを理解する

      □ 中絶胎児廃棄事件を考える資料、2004,


    5. 技術者科学者が考える未来についてのイメージ

      ・未来をイメージしたことがあるか。30年後・100年後の国家、社会、会社、福岡市、
      ・その未来に、あなたはどのような関わりを持っているか。
      ・明るい未来か、暗い未来か、どちらを描く。 ・その未来をイメージする方法は、
      ・他人は、あなたの未来のイメージを、どのように理解するか。

      □ 「未来都市」の生活、近藤雅樹、日用品の二〇世紀、近藤雅樹編、ドメス出版、2002.

      □ 赤松亡国論、千葉徳爾とくじ、はげ山の文化、学生出版、1973.

      □ 附録 論争地球環境、日経サイエンス2002年7月号.



  • 課題 豊島廃棄物不法投機事件をさらに分析する

      総合演習(7月)で見学し討論した豊島事件につき、次の奥田論文を読み、

      1. あなたに「どのような視点が欠けていたか」を認識するために、奥田論文を比較検討し、あなただけでなく他の院生の報告で取り上げていなかった事柄のリストを作成する。

      2. 豊島観光の経営者、知事や県職員の行動は批判されているが、善悪の視点は除き、彼らはどのような信念に基づいて合理的な行動をしたかを推測を交え述べよ。

      □ 廃棄物エシックス--豊島から考える、奥田太郎、岩波応用倫理学講義2環境、岩波書店、2004.5.



  • 課題 循環型社会の計画対象(人もの地域)の理解: 「環境政策、循環型社会の発展段階・時間的視点のちがい」を理解する

    1. 中央官庁の役人経験者が描く効率的な循環型社会

      環境庁の役人であった竹内によれば中央政府の環境政策には発展段階があると言う。
      日本でも、これらの各段階が同時に進行していと言える。便利な枠組みの見方です。

      先進事例と言われるドイツの環境政策の意図的発展段階(あるいはシナリオ)を理解する。
      この枠組みを元にして環境概念の変遷や、日本の資源循環型社会を理解する練習をする。

      ステップ1 政府は環境問題が生じてもこれを覆い隠す段階。
      キーワード:  公害、公害反対住民運動、水俣病、ボーパール化学事故

      ステップ2 政府は環境問題に対して象徴的な環境省庁を設けたり、環境官庁モデル事業をおこなう。

      ステップ3 排出口対策の段階。工場からの汚染、廃棄物に対して規制基準・処理技術を適用する。
            1980年代、日本は世界のトップランナーであった。
      キーワード:  公害防止協定、総量規制、自動車排ガス規制、排煙脱硫、排煙脱硝

      ステップ4 リオサミットで主張した「環境と経済」を統合させる段階
      キーワード:  地球温暖化、熱帯林破壊、世代間の公平性、持続可能な発展、リデュース、リユース、リサイクル
             省エネ、自然エネルギー、ニ酸化炭素削減、環境マネージメント、環境報告書、環境ラベル
             ライフサイクルアセスメント、

      ステップ5 ヨハネスブルグサミットで主張した「環境が経済だけでなく社会」も統合する段階
      キーワード: エコロジー税制改革、失業対策と環境ビジネス

      環境政策に関するこれらの情報が、ごちゃまぜで与えられているので、専門家になるには情報を整理する視点が必要である。

      □ 環境構造改革--ドイツの経験から--、竹内恒夫、リサイクル文化社、2004.

    2. 農学者が描く循環型社会のイメージの事例

      □ 循環社会を目指す、環境時代の構想、竹内和彦、東京大学出版、2003.

    3. 地質学者が描く地球規模での資源循環のイメージ

      □ プレート収束帯のテクトニクス学、木村学、東京大学出版、2002.



  • 課題 循環型社会の計画対象(人もの地域)の理解: 「循環型社会の事例と循環の概念の豊かな内容」 

    1. 循環型社会を支えた現実「炭と炭焼き社会、その変容事例」

      第二次大戦中から戦後昭和30年の中ごろまで、石油等のエネルギーに困窮した日本では木炭がそのエネルギーをになった時代があった。木炭が家庭用、暖房用燃料であり、バスも木炭で走っていた。民生用の車は木炭から発生する一酸化炭素でエンジンを動かしていた。

      環境の分野でバイオマス(生物資源)エネルギーやリサイクルとしての木炭に目を向けるようになった今、もう一度50年ほど前の「炭と炭焼き社会」の現実と生産システムを見直してみる。次の項目を整理しよう。

      ・生活の中でどのように炭を利用していたか。
      ・どのような人が炭を生産していたか。
      ・炭の社会的生産システムはどのようなものであったか。また、これを資源循環社会のために利用できるか。

      □ 炭焼きの二十世紀、畠山剛、渓流社、2003.

      ・増産そして斜陽化---戦中戦後の木炭
      ・専業製炭者の住生活
      ・県の「専業製炭の実体調査」
      ・平成の炭焼き

    2. 循環型社会を支えた現実「古着リサイクル社会とその変容事例」

      □ 古着、朝岡康二、法政大学出版局、2003.

      -目次-
      ・1章 衣生活はどのように変化したか
       衣生活はどのように変化したか。
       衣料の大量消費は、いつ頃、なぜ始まったか。
      ・和洋の折衷
      ・4章 古着と古布
       古着と古布はどのように扱われていたか
       リサイクルでは、古着と古布を利用することと、古着と古布が流通することを別けて考える。
       ・着物を解く
       ・着物と布の移動と流通
      ・5章 東京の古着問屋
       古着と古布の流通システムとはどんなものであったか。
       ・神田・和泉橋界隈
       ・古着・古布を集める
       ・古着・古布・ボロの近代
      ・7章 古着の現在
       ビンテージ古着屋、ネパールで利用される我々のジャージ。
       ・輸出される古着
       ・ネパールで見た輸出古着
       ・輸入古着

      資料・着物の部位の名称 衽おくみ 前身ごろ 後身ごろ



  • 課題 循環型社会の計画対象(人もの地域)の理解: 「大量消費社会は創られる」ことを理解する

    1. 消費するものとその意味づけ

      □ モノの意味 -大切な物の心理学-、M.チクセントミハイ、E.ロックバーグ=ハミルトン、誠信書房、2009.

    2. 住まいにあふれる電化製品

      □ 家庭電化の100年、山口昌伴まさとも、日用品の二〇世紀、近藤雅樹編、ドメス出版、2003.

    3. アルミの大量消費計画と資源循環の事例

      □ アルミ鍋、朝岡康二、日用品の二〇世紀、近藤雅樹編、ドメス出版、2003.



  • 課題 循環型社会の計画対象(人もの地域)の理解: 「循環型社会の居住者」を理解する

    1. 地域の居住者はどのように循環型社会を理解するか

      □ ゴミ分別収集がはじまるとき、杉浦淳吉、カタログ現場心理学、やまだようこ他編、金子書房、2001.



  • 課題 地域環境計画ケーススタディ

    1. 受講者が「太宰府の地域環境問題を創る

      前もって資料の記事を読み、他の資料も加え、これを地域環境問題につくりあげて下さい。各自の問題の作り方の議論をします。

      1. 環境問題に関わる人々は?
       新聞記者--新聞--読者、駐車場経営者--税金--利用客、運転手、市役所--条例--市議会議員
       市役所--税金--総務省、神社--観光業関係者、・・・・・・ 記事には何が欠けているか。

      2. 何を地域環境の問題にしていいのか。いくのか。

    2. □ 資料 太宰府市駐車場条例紛争記事

    3. 歴史的参道の修景デザイン事例解説歴史的参道の修景デザイン
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