Last updated: December 2012 -January 2010. Kajiyama           [ 目次に戻る ]

多変量分散分析 (多変量・対応あり・標本数は同じ)


  1. 「くり返しがあり,測定値が2個以上の多変量で,対応があり,標本数が同じ」場合の課題

    表1,2,3に示すように,測定値が2種類以上(多変量)の実験・調査データがある場合,

    分散分析では測定値ごとに分割して一元配置として検討することになる.

    測定値を多変量のまま各水準の平均値とその変動を分析するのが「多変量分散分析 MANOVA」である.



  2. 降圧剤と血圧の経時変化の例題

    2 種類の降圧剤(因子A)を投与したときの血圧変化を調べ,降圧剤の効果を検討する.

    60人の被験者を、30人ずつ,あ, い 2 種類の降圧剤にランダムに割り当てた.

    1 人の被験者について投与前・1 時間後・2 時間後・3 時間後の4 時点で血圧を測定した.(対応あり)

    表1の測定値から降圧剤と血圧の経時変化を検討する.

    降圧剤に差があるか(被験者間要因:Between-Subject effects),

    4血圧の経時変化に差があるか(被験者内要因:Within-Subject effects).

    表1 降圧剤と血圧の経時変化 「アンスタック形式」

     
    測定時期

     
    因子A
    降圧剤の種類
    投与前 1h後 2h後 3h後
    水準A1 あ 30例
    水準A2 い 30例
    表1-2 降圧剤と血圧の経時変化 「アンスタック形式」

    因子A
    降圧剤の種類
    水準 A1
    水準 A2
    測定時期
    投与前 1h後 2h後 3h後 投与前 1h後 2h後 3h後
    サンプル01                
    サンプル02                
    ・・・                
    サンプル30                


  3. 頭蓋骨の形状分析の例題

    古代エジプト人男性の年代別の頭蓋骨の形状を分析して,紀元前4000年以降,同じ人種であったのかそれとも交流があり変化したのかを検討する.

    5種類の年代分け(因子A)と各年代30例づつ頭蓋骨の4ヶ所の部位を測定した.(対応あり)

    表2の測定値から頭蓋骨の形状の年代変化を検討する.

    5種類の年代で頭蓋骨の形状に差があるか(被験者間要因:Between-Subject effects),

    4種類の頭蓋骨部位で形状に差があるか(被験者内要因:Within-Subject effects).



    表2 古代のエジプト人男性の頭蓋骨の形状 「アンスタック形式」

    データの出典:Egyptian Skulls  Story Names: Egyptian Skull Development
    Description: Four measurements of male Egyptian skulls from 5 different time periods. Thirty skulls are measured from each time period.
    MB: 頭蓋骨の幅 Maximal Breadth of Skull
    BH: 頭蓋骨ブレグマの高さ Basibregmatic Height of Skull
    BL: 頭蓋骨のバシオンプロスチオン長さ? Basialveolar Length of Skull
    NH: 頭蓋骨の鼻高 Nasal Height of Skull
    Year: Approximate Year of Skull Formation (negative = B.C., positive = A.D.)

     
    頭蓋骨の測定部位
    因子A
    年代
    MB BH BL NH
    水準A1 -4000年 30例
    水準A2 -3300年 30例
    水準A3 -1850年 30例
    水準A4 -200年 30例
    水準A5   150年 30例


    表2-2 古代のエジプト人男性の頭蓋骨の形状 「アンスタック形式」

    因子A 年代
    水準 A1
    -4000
    水準 A2
    -3300
    水準 A3
    -1850
    水準 A4
    -200
    水準 A5
    150
    測定部位
    MB BH BL NH MB BH BL NH MB BH BL NH MB BH BL NH MB BH BL NH
    サンプル01                                        
    サンプル02                                        
    ・・・                                        
    サンプル30                                        
    平均値 131.4 133.6 99.17 50.53 132.4 132.7 99.07 50.23 134.5 133.8 96.03 50.57 135.5 132.3 94.53 51.97 136.2 130.3 93.5 51.37



  4. あやめの花びらの形状分析の例題

    あやめの花の形状が品種(因子A 3水準)により異なるか検討する.

    花は一箇所でなく,同じサンプルの4部位の形状(測定値),がく片(Sepal)の長さと幅,および花びら(Petal)の長さと幅を測定した.(対応あり)

    表3の測定値から3品種のあやめの花の形状に差があるか(被験者間要因:Between-Subject effects),

    4種類の花の形状部位に差があるか(被験者内要因:Within-Subject effects)検討する.


    表3 あやめのがく・花びらの形状「アンスタック形式」

     
    Number of cases: 150
    Variable Names:
    Sepal.Length: がく片の長さ
    Sepal.Width : がく片の幅
    Petal.Length: 花びらの長さ
    Petal.Width : 花びらの幅
    Species: あやめ3品種 
    [setosa・versicolor・virginica] 
      
     
    測定値 4部位
    因子A 品種
    Sepal.Length Sepal.Width Petal.Length Petal.Width
    A1
    setosa
    50例
    A2
    versicolor
    50例
    A2
    virginica
    50例


    表3-2 あやめのがく・花びらの形状 「アンスタック形式」

    因子 A 品種
    水準 A1 setosa 水準 A2 versicolor 水準 A3virginica
    測定値
    4部位
    Sepal.
    Length
    Sepal.
    Width
    Petal.
    Length
    Petal.
    Width
    Sepal.
    Length
    Sepal.
    Width
    Petal.
    Length
    Petal.
    Width
    Sepal.
    Length
    Sepal.
    Width
    Petal.
    Length
    Petal.
    Width
    サンプル01                        
    サンプル02                        
    ・・・                        
    サンプル50                        
    平均値 5.006 3.428 1.462 0.246 5.936 2.770 4.26 1.326 6.588 2.974 5.552 2.026



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